嘘。『彼』
「雅人さんっ。新規の客が来てるんすけど―」



「俺行くわ。」



「わかりました。ぢゃぁお願いします。」



取りあえず亜紀子の事は悪いと思いながらも、仕事だからしょうがねぇとぐらいしか思っていなかった。




俺は出来る範囲でちゃんとしてんだから…












「失礼しまぁす!」




「きゃぁ〜かっこぃぃっ。」




新規の客に着くのは久々だった。



絶対つかまねぇと…




ぉっ…感触いいな。




「二人とも大学生なんだぁ〜」



「はぃっ…ぉこずかぃ稼ぎでキャバ始めて〜ホストも初めてなんですっ♪」




金に為らないとおもいつつも、その夜に染まって無い、癒し系の笑顔に、俺もなぜか、自然に笑顔になっていたのが分かった。








「番号交換しよ〜」



「はぃっ…」



そしていつの間にか、うつ向きながらハニカむ笑顔に思わず、胸キュンしてしまった。



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