嘘。『彼』
「安定剤を大量に飲んだみたいですね…」




救急車で運ばれて、亜紀子は、処置室に運ばれた。




「安定剤…?」





「まぁ実際、これくらいじゃ死にませんけど―。胃の洗浄をしたんで、暫く休んだら連れて帰ってもいいですょ。」





「死にませんけどって、死のうとしたって事ですか?ってか何で安定剤なんか…」





淡々と話す医者に少し腹が立った。





「彼女はどこか精神科に係ってらっしゃるんじゃないですか?」




「精神科?!」





「まぁ…あまり薬を溜め込まない様に気よつけてあげてください。」






「…」








「じゃぁ失礼します。」







そして医者は何事もなく去って言った。






病室を開けると、亜紀子は目を冷ましてした。







「雅人…」








「…」









「何やってんだょ…」







「ごめんなさぃっ…グッ…」







亜紀子の顔は涙で鼻が赤くて瞳には大粒の涙がたまっていた。




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