嘘。『彼』
「しばらくしたら帰っていいって。大丈夫か?」




「ぅん…グスッ…ごめんね…」





「もういいから、しばらく休め…」






「ぅん…」






何で亜紀子は死のうと思ったのか。



何考えてるのか、俺は分からない。




少しでも理解してやろうと俺はこの時思ったはずなのに…―













俺の行動全てが亜紀子を悩ませてたなんて…




心無い言葉なら、簡単に言えるのに




大事な言葉はいつも言えなかった。



言葉で伝えるのが下手な俺を亜紀子が一番よく分かってくれてたのにな―










でも言葉にしないと分からない事は沢山あったんだ。








今なら、素直に言えるのに―









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