【短】好き。
私が眠気と闘っている傍らで、
本能のままに爆睡してる奴が一人。
彼の名前は、五十嵐将生(イガラシ マサキ)。
新学期初の席替えで隣になって以来、
何故か私にやたらと
ちょっかいを出してくる、変な奴。
でもその変な奴に、
私は今恋をしている。
(ったく、全然授業聞く気ないじゃん……)
彼はいつもそうだ。
「教科書見せてくんねぇ?」
とか言って机をくっ付けてくる
くせに、授業の半分も終わらない内に
夢の世界へ旅立ってしまう。
(後で頼まれても絶対
ノート見せてやんないもんね!!)
こっちは隣に座ってるだけで
ドキドキしてんのに、
呑気に居眠りなんかしやがって!
(でも………)
そんなことを思いながらも、
風に靡く銀色の髪に
見とれてしまう私は、
やっぱり相当重症なのかもしれない。
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