指折り★Holiday
指折り★Holiday
その日。
あたしは1日中、
ただぼんやりと過ごした。
気が付けば、授業が始まってて。
気が付けば、昼休みで。
気が付けば、放課後だった。
ぼんやりとしたあたしを、
綾乃は心配してくれたんだけど
それすら笑って誤魔化した。
綾乃は遠目で見てただけで、
そのあとすぐに教室に行ったらしいから。
あたしが泣いてたなんて。
知らない――――。
土曜日も日曜日も。
頭の中に浮かぶのは、
譲輝くんの壊れそうな表情。
その表情を思い出すたび、
あたしの胸はかつてないほどに悲鳴を上げた。