指折り★Holiday
心の中でそう思って、
なるべく関わらないように通り過ぎる。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
何故か心の中で謝りながら。
チャラ男な方の前を難なく通り過ぎ、
小さいく溜息をついたときだった。
止まる足。
掴まれる腕。
――――ん?
振りかえると、
チャラ男があたしの腕を掴んでいた。
「キミさぁ、もしかして“ナコ”?」
真顔で、あたしの名前を口にした。
これは新手のイジメか?
一瞬そんな考えが頭をよぎり、
そこからのあたしは早かった。
「ぎ、ぎゃぁぁあああああ!!」
掴まれてないほうの手で、
チャラ男の手を叩く。
「いてっ」と、チャラ男が手を離した瞬間。
猛ダッシュ。