指折り★Holiday
何か言おうと唇を震わすと、
あたしの鼻先に向かって刺された人差し指。
「話は、帰りながらゆっくりしよう」
その提案に、
あたしは頷くしかなくて。
朝であったばかりの人と、
肩を並べて帰ることになった。
「あの、えっと・・・・・」
「あー、斉藤です」
「斉藤君。あの、
譲輝くんのこと知ってるの?」
見慣れた帰り道。
派手な髪を風になびかせ、
斉藤君はまたにっこり。
「まぁ、一応付き合い長いし。
俺は勝手に親友とか思ってるしね」
「そっか・・・・・・・」
2人だけの秘密だと思ってたけど、
あたしの思い過ごしだったみたい。
何故かショックで、
視線を地面へと落とした。
「譲輝とケンカした?」