指折り★Holiday
ぽそりと放たれた言葉。
その言葉は今のあたしにとっては、
攻撃力が強すぎる。
何も言えなくて、
ただ鞄をぎゅっと握り締めた。
「やっぱり、菜子ちゃんか」
1人ごとのような、
そのくらい小さく呟いた斉藤君。
「やっぱりって?」
不思議に思って、
首をかしげて眉を寄せた。
「譲輝さ、今日元気なかったんだ。
つーか、空気が重いっつの?
なんかこっちまで陰気な気分になってさー」
「はぁ・・・・・・・」
「で、理由を聞いたわけ」
いきなり歩みを止めた斉藤君。
振り返ってみると、
またあたしに人差し指を突きつけ
「“嫌われた、かも”」