指折り★Holiday
楽しそうに笑って、
そのままあたしに向けた指を下げた。
ちょっと待って。
何で譲輝くんがそんなこと思ってるの?
譲輝くんは、
何1つ悪いことしてないじゃん・・・・・・
固まるあたしを知ってか知らずか、
斉藤君はそのまま続ける。
「譲輝が俺に悩み相談なんか初めてでさ。
俺、ちょっと嬉しいんだ。
俺が出来ることぐらいは、
しゃーないし手伝ってやろうと思って」
「譲輝くんは、何も悪くないの。
あたしが、譲輝くんを傷つけた・・・・・・」
1番触れてはならないはずの傷に、
事情を知ったあたしが触れた。
“ごねんなさい”なんて、
そんな言葉じゃたりない。
きっと何をしても、
許されることじゃない――――。
俯くあたしに、
斉藤君の声が振ってくる。
「菜子ちゃんわかってないよ」
さっきまでのお茶らけた声じゃない。
真剣なその瞳は、
まっすぐあたしを捕らえてた。