指折り★Holiday
ドアのところまで来て、
「何?」
落ち着いた低音ボイスが響いた。
「あの、朝はありがとう!」
「あぁ、別にいいけど」
「なんともなかった?」
「特には。うまく言っといたから」
見上げた顔、
初めて真正面から見た譲輝くん。
メガネの奥の、
綺麗な二重まぶたがあたしを見つめてる。
うん。やっぱ、カッコイイ。
綾乃言うことが正解だと思いながら、
あたしは握っていた携帯を差し出す。
「それで、これ・・・譲輝くんのかな?」
ドキドキと、
自分の心音が聞こえてきそう。