指折り★Holiday
思ったよりも大きな声が出た。
でもそんなことを気にしてられるほど、
この興奮を抑えることができない。
あたしから離れていった譲輝くんは、
あたしに背を向けたまま立ち止まった。
「あたし、確認の為に中を見ちゃって!
それでその中身なんだけど、
知ってるって言うかなんていうか!
譲輝くんって、柚・・・・・・・っ!?」
覆われる口元。
さっきまで離れた場所にいた譲輝くんが、
高速移動してあたしの前に立っていた。
「場所、移動していい?」
泣く子も黙る、鬼の顔。
今の譲輝くんの表情を表すとしたら、
もうこれしかないと思った。
顔に青筋を立てながら、
そんなことを冷静に考えていた。
100万カラットの笑顔は、
何処に・・・・・・・