指折り★Holiday
「わ、やば」
「どうしたの?」
「6時に井口来るんだよね。
ごめん、菜子。 もう帰んなきゃ」
申し訳なさそうに眉を下げる綾乃。
机の上においてた携帯を手にとり、
鞄を肩にかけ、立ち上がった。
「もーぅ、そんな事気にしないでよ。
早く行ってラブラブしてこーい!」
「ちょっと、大きい声で何言ってんの」
少し照れて、
顔をほんのり赤くする綾乃。
「じゃあね、菜子」
「また明日ー」
お互い手を振り合う。
ニコニコ笑顔で綾乃を送り、
綾乃が店を出た瞬間、
あたしの顔から笑顔は消えた。