指折り★Holiday
1歩大きく足を踏み出したけど、
ぐっとその場で足をとめる。
待て待て。
落ち着け、菜子。
切れる息を整えて、
大きく3回深呼吸。
よしっ!
自分で自分に喝をいれ、
ゆっくりとした歩調で譲輝くんに近づく。
譲輝くんまで残り5メートル!
ってところで、見つかった。
最初は視線だけあたしに向けたけど、
大きく目を見開くと顔ごとあたしのほうを向く。
「ど、どうも」
ぎこちない笑顔で微笑むと、
何もなかったかのように顔をそむけられる。
「何?」