指折り★Holiday
足元のあひるのタイルは、
なぜか“青いあひる”。
あたしたちが座ってるベンチだけ、
青いあひるが泳いでる。
「ねぇ、見て譲輝くん」
「ん?」
「ここだけ、青色ー」
青いあひるを指差しながら、
視線は譲輝くんへ。
譲輝くんは、
面倒くさそうに視線を下へ。
「ね? 青いでしょ」
「・・・・・ほんとだ」
周りのベンチを見比べて、
少し不思議そうな譲輝くん。
ずれたメガネを押し上げたその姿に、
胸キュンしたのは言うまでもない。
「なんか、あれみたーい!
幸せの青い鳥? 素敵だー・・・・」
「なんかこのあひるマヌケっぽいけど。
しかも、具合悪そうにしか見えねー」
「恋愛小説家のクセに・・・・・
もっとロマンチックな言い方しようよ・・・」