指折り★Holiday
そんなバカなことを頭で考えながら、
返ってくるかわからない譲輝くんの返事を待つ。
「それもそうだね」
――――ん?
「違う理由があったの?」
少し予想と違う、
譲輝くんの返答。
あたしの想像では、
普通に「うん」でおわりだよ?
木を眺めていた視線を、
ゆっくりと譲輝くんへ移動させる。
譲輝くんは相変わらずパンをちぎってて、
あたしのほうを見ようとはしない。
「ねぇってば!」
「アンタでしょ」
「え?」
持っていたパンを全部地面に落とし、
ゆっくりと視線をあたしへと動かす。
メガネの奥の綺麗な瞳が、
絡まる視線を熱くした。
「俺はアンタの為にと思ってたんだけど」