指折り★Holiday
あぁ、神様。
あなたはあたしを殺すつもりですか。
真顔の譲輝くんから放たれた、
心を惑わす甘い言葉。
聞く人が聞いたら、
これは完全に勘違いしちゃうよ。
「も、ちょ、やだぁー!!
あたしの所為で柚木モモファンに怒られるー!」
胸の高鳴りを隠すため、
譲輝くんの肩を強めに叩いた。
ほんとに痛かったのか、
譲輝くんは肩に手を当て停止。
たくさんいた鳩は、
ほとんど飛んでいってしまった。
「・・・痛いんですけど」
「あれ? 譲輝くんて、
軟弱な人? 頼りないなー日本男児」
「あんなぁ・・・・・・」
ケラケラ笑うあたしを見て、
盛大な溜息を1つついた譲輝くん。
肩をさすりながら、
「どんな力だ、日本女子。
アンタは大和なでしこは無理だね」
なんて言ったのは、
聞こえない振りをしておこう。