指折り★Holiday
「お、キミしぶといねぇ」
譲輝くんの足元に、
1羽の鳩ぽっぽ。
さっきの騒ぎでも、
逃げ出さなかったらしい。
「なんかこの子の模様変だねー」
「あっそ・・・・・・」
「名前とかつけちゃう?」
冷たい反応の譲輝くんを無視して、
足元にいる鳩くんの名前を考える。
「模様がまばらだから、
う~ん・・・・・・まばらとか」
「まんまだね」
「じゃあ、ぽっぽ」
「ネーミングセンス、微妙」
「じゃあ、何~?」
頬いっぱいに空気を詰め込んで、
譲輝くんを軽く睨む。
譲輝くんはくいっとメガネを押し上げると、
「知らないよ」
そんな一言で、
鳩くんの名前を片付けてしまった。