指折り★Holiday
深いキズグチ
ある日の火曜日。
――――事件は起こった。
「薗部ー、田淵ー」
名簿順に呼ばれる名前。
さっき呼ばれた、
“小西”の名前。
これは、夢?
「菜子ー。
小テストどうだった?」
答案用紙片手に、
教室の隅にいたあたしの元へ来る綾乃。
綾乃の声に顔を上げると、
綾乃はなぜか嬉しそうにこう言った。
「あ、その顔。
点数微妙だったんでしょ~」
ニヤニヤ笑いながら、
あたしの答案に手を伸ばす。
でも、綾乃のニヤニヤ顔は、
あたしの答案用紙を見た瞬間。
険しいものとなった。
「96点!?」