指折り★Holiday
――――コン、コン
震える手で、
書斎のドアをノックした。
「どうぞ」
中から聞こえたお父さんの声に、
ゆっくりとドアノブに手をかけ
中に入った。
久しぶりにまたいだ敷居。
それはもう書斎に入った記憶が薄れてるくらいに
久しぶりの事だった。
「なんだ?」
まるで、
譲輝くんみたいな短い返事。
緊張で震える手を握り締め、
意を決して唇を震わす。
「は、話が・・・・あって」
「今忙しい。早くしてくれ」
「じゃあ、今度の休みはいつ?
ゆっくり、話したいことなの・・・・・・」
お父さんの眼が見れない。
握り締めた手には、
少しづつ汗が染みてくる。
どうか、どうか。
――――yesを頂戴。