指折り★Holiday
小さく鼻歌を歌いながら、
ポッケの中にある携帯を取り出す。
小説は更新されてるかなー。
すばやくサイトにアクセスし、
お目当ての“柚木モモ”のページを開ける。
残念ながら、
まだ更新はされていない。
ちぇー・・・・・・
携帯を再びポッケに入れ、
視線を前へ上げたときだった。
「あれ、譲輝君?」
青いあひるのベンチ。
そこには、金曜日にしか姿をあらわさない譲輝くんの姿。
小走りでこそまで行くと、
譲輝くんもあたしの存在に気がついたのか
じっとあたしを見てきた。
「なんで、いんの?
バイトは? クビになったりした?」
「違うっつの。今日、定休日」
少しむっとしながら、
軽くあたしを睨んできた。
ごめんごめんと言って、
あたしもいつものように隣へ座る。
「なんか、機嫌いいね」