指折り★Holiday
「え? 譲輝くん?」
戸惑いの声を上げるあたしを無視して、
自転車にまたがった譲輝くん。
あたしは訳がわからず、
まだベンチに座ったまんま。
「もう暗いから、」
握ってたハンドルから手を離し、
二台のところをポンポン叩く。
「送ってく。乗れば?」
真顔で、
当たり前のようにそう言った。
「えぇ! いいよ!!
そんなに遠くないし、あたし重・・・・」
「いいから。早く」
「わっ」
腕を引かれ、
自転車のそばまで引き寄せられる。
じっと見つめられる顔。
どうしていいのかわからなくなって、
「じゃあ、お願いします・・・・」
遠慮がちに、
二台に横乗りで乗った。