指折り★Holiday
ばれたくない。
ばらしたくない。
譲輝くんの、そばにいたいよ・・・・・
「菜子? どうしたの?」
返事をしないあたしに、
首をかしげて不思議がってる。
眼を閉じて、
口をきゅっと結ぶ。
そして唇を震わし、
「――――そう、だね」
気持ちとは真逆の、
偽りの言葉を口にした。
このとき、
あたしは気付いてなかったんだ。
1番言ってはいけない、
禁句を口にしてしまった事を―――。