指折り★Holiday
「ふぃー」
お風呂上り。
濡れた髪を拭きながら、
ベットに腰掛け携帯を開く。
見るのはもちろん、
柚木モモならぬ、譲輝くんの小説。
最近は、夜遅くじゃなくて
大体9時とかに見るようにしてる。
それぐらいにはもう、
譲輝くんは更新してるから。
『俺はアンタの為にと思ってたんだけど』
頭に浮かぶのは、
いつの日か譲輝くんが口にした言葉。
それを思い出しては、
ニヤニヤと緩む口元。
この間その顔が鏡に映って見えて、
自分で自分の顔に引いてしまった。
悲しすぎる。
譲輝くんとあたしが、
同じ人間だと名乗っていいのか・・・
サイトから柚木モモのところまで。
もう指が覚えちゃってるから、
多分誰よりも速いと思う。