指折り★Holiday




綾乃の元を離れ、
さっきとは比べ物にならないくらいきびきび動く。




こっちを振り向いた譲輝くんの手には、
“ゆずジュース”が握られていた。





「譲輝くん大丈夫?

昨日更新してなかったから、
何かあったんじゃないかって心配してて・・・・」




学校ではあんまり話さないけど、
昨日の事が心配で声を掛けた。



ただ単純に、
何も考えず、声を掛けた。




「譲輝くん?」




いつまでたっても、
口を開こうとしない譲輝くん。



少し俯いている顔を、
興味本位で覗き込んだ。




でも、

この行為があたしを凍らせた。




今まで見たことない、
射るような冷たい視線。



結ばれた唇が、
よりいっそうその雰囲気を引き立てた。








「どうせ、それが目的だろ」



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