指折り★Holiday
冷たい、冷め切った声。
その声に、
あたしの身体は動かなくなる。
「そんなに小説好きか?
どうせもう少ししたら内容とか聞くんだろ?
ふざけんな」
「え、何言って・・・・・・」
「何が軽蔑しないだよ。笑わないだよ。
見た目だけにいっちょ前に言いやがって。
どうせやっぱ陰口じゃねーか」
譲輝くんが何を言ってるのか、
上手く理解できなかった。
謝ろうにも、
何に謝っていいのかわからなかった。
わかったのは、
譲輝くんがすごく怒ってるってことだけ。
はじめて見るその姿に、
恐怖心を覚えた。
「もう、あそこ来るな」
きっぱり言われた。
今まで何行ってるのか分からなかったけど、
それは分かった。
もう、あそこに――――
青いあひるのベンチに
来るなと言われてる。