My Sweet Sweet home
結局2人きりになれて満足したことで、大学の生協につくころにはアイス欲はすっかり消え失せ、変わりにお茶とガムを買ってもらった。
持っていたのはアイス欲ではなく拓兄独占欲だったと気づく。
食欲、特に甘い物への欲求と性欲は、どこか繋がるものがあるのだと思う。
「なにしに俺にここまでこさせたんだお前。」
「お茶とガムを買うためでしょ?」
拓兄は、はいはいって顔で外にあるベンチに座った。
あたしは嬉しかった。まだ戻りたくないなって思ってたから。拓兄がタバコを吸ってる間は、ここで2人きりでいられる。
「あーきもちーなー。」
ほんとに気持ちいい。春の風はあったかくてすがすがしい。あたしたちの体温調節機能を刺激することなく肌に心地よい空気をくれる。
「お茶一口ちょうだい。」
勝手にどーぞー。好きなだけ飲んで頂戴な。関節キスなんて星の数ほどしてきたので今更喜ぶことでもない。
あーほんとに気持ちいい。拓兄と二人。ここは温かい。なんて幸せな気分なんだろう。
「戻る前にもう1本吸っていい?」
そうして頂戴。そしたらまだ2人でいられる。あー暖かい。
「拓兄3講は同じ選択科目だよね?一緒に抗議受けようよ。」
それにしてもポカポカしてる。今度は程よい眠気があたしを誘う。
「あー俺今日彼女と約束してんだよ。」