My Sweet Sweet home
拓兄は自然に腕を貸してくれる。
拓兄の筋肉質な腕に頭をのせる、この瞬間以上に幸せな時はないんじゃないかと思う。
「なんかあった?」
あたしに向き直り真剣な表情で、あたしの目を覗く。
「どうして?」
「お前がおれのとこに来る時はたいていなんか合った時だろ。」
あぁ。そうか。と思った。
でもそれはそんな時しか拓兄と一緒に寝る口実がないからなの。何にもなくてもほんとは毎晩ここに来たい。
「心の中が雷だったの。」
「ハハッ。なんだそれ。それ確実になんかあったってことだろ。」
何にもないわ。拓兄のこと考えてたから、心に雷が落ちたの。
でもそれは何にもないのと同じ。だってそれがあたしの日常だから。
何にも言わないあたしに
「ゆか、なんか嫌なこと合ったらすぐ俺に言えよ。お前は何でもため込むんだから。せめて俺には話せ。」
って言ってくれた。