My Sweet Sweet home
あのときは、あたしも相当つらかったなー。なにせあの時まだ唯は高校1年生だった。
あぁ、この子は、とろい訳でも変な訳でもない。人より少し感受性が強いだけなんだ。と思った。
「ゆか、ほんとに大丈夫なの?今のたくみさんの彼女だよね?」
思い出にふけるのをやめてあたしは唯を見た。
「ほんとになんともないって。拓兄に彼女がいるのはいつもの事なの。唯も知ってるでしょ。」
「じゃあ、なんでそんな思いつめた顔してるの?」
「・・・ほっとけ。こういう顔なの。」
嘘。ほんとは思いつめてる。今朝の天気予報では、ところにより夜カミナリって言ってた。
今晩拓兄があの女のところから帰って来なかったら、あたしはショック死してしまう。
唯はまだ何か言いたげな顔であたしを見てたけど、それ以上は何も追求して来なかった。
二人黙々と食べ続けた。