My Sweet Sweet home
その日も1日いやがらせのオンパレードだった。

一緒にいると唯にまで迷惑がかかってしまうので、最近ではわざと別行動をとるようになっていた。


唯は始めもっぱらこれを拒否していたけど、あたしは唯までもがすれ違いざま、これみよがしな悪口を言われる事がこの上なく嫌だった。


それで結局唯が別行動を嫌がるので、あたしが意図して唯と別行動をとるように仕向けなければならなかった。


1人でこの嫌がらせ大集団を相手にするのは、さすがのあたしでも大層な体力勝負を強いられた。

悪態なら無視をすればいい。


しかし足引っ掛け、体当たり、もの投げなどの肉体的な部分であたしは日常生活、常に気を張っていた。


最近では同じ学科の同学年の女子(今まで入学してから特に熱心な拓兄ファン)も集団に加わったご様子だった。


おかげで席が決まっている講義では、あたしの机にまで悪口、ガビョウ、その他もろもろのトラップがあった。


つらくはなかった。


嫌がらせなら慣れっこだし、無視する事に関してあたしは人より長けていた。


しかし今回は今までのと規模が違う。


拓兄はものすごく顔が広い。高校よりも人数が多いうえ顔が知れ渡らない大学では、この規模は当然といえば当然のことなのかもしれない。


たださすがに体力が…。

高校時代、体育をさぼり屋上で昼寝ばかりしていた自分を今さらながら恨んだ。

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