My Sweet Sweet home
あたしも負けず劣らず周りの女たちの髪を引っ張り、足で腹を蹴った。



後ろにいた女があたしを押さえつけてきたので、思いっきり右に体を反らした。



その瞬間2人で横にあった机に激突。



押さえつけてきた女は体をうずくまらせたけど、あたしには痛みに浸る時間もない。



相手は8人。隙を見せたら後は押さえられ殴られかなわない。



あたしは咄嗟に横にあった椅子を掴むとぐるりと一週するように振り回した。



鈍い音と感触で何人かに当たったのはわかった。


いつの間にか押し合い、転げあい、もみ合いであたしたちは出入り口に近いところへきていた。



椅子を綾に向かって投げようとあたしが手を挙げた瞬間だった。



「はい。ストップ。」



あたしは何かに引き寄せられ、驚いて手を離した拍子に椅子はボトリと目の前に落ちた。
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