野球部彼氏。
「広瀬瀬奈〜!」


4人で髪の毛の話で盛り上がっていた時、
廊下からあたしを呼ぶ声がした。


振り返ると、坊主がたくさん見えた。


「広瀬ちょっときて〜」


同じ3組の野球部、田辺耕太が手招きする。
あたしは真亜に押されて、
つんのめりながら、廊下に出た。


廊下に出てみると、野球部の坊主が13人。
団体すぎて少し怯む。


「どないしたん?」


唯一喋ったことがある田辺くんに視線を送る。


「あんさあ...」


田辺くんの横にいた坊主が、
あたしに話しかけた。
田辺くんより背が高くて、
綺麗な顔立ちの、はっきり言ってモテそうな坊主だった。
見たことはなかったから、多分違うクラス。


「...いい?」


片手をポケットに入れて、
携帯を反対の片手に持っている。
アドレス交換という事だとすぐわかった。


「うん。ええよ」





その坊主は笑った。
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