野球部彼氏。
シロ
あれからシロと、
毎日メールするようになった。
内容は野球とか、
テレビの話だとかだったけど、
そんな話も、シロとなら楽しいと思った。


「体育館に移動しろよー!」


担任が叫ぶ。
今日の5、6時間目は
体育祭の応援合戦の演技の練習を、
することになっていた。


体育館に移動すると、
一年生は全員集合していた。
あたしは無意識に、
1組の方を見てシロを探す。


「瀬奈」


後ろから聞こえた、
低くて落ち着きのある声。
振り返ると、シロが笑ってた。


なんでこんなに可愛い笑顔するんやろ―。


いつも野球部で、
わいわい騒いでる時とは、
なんだかちょっと違って、
あたしの胸は高鳴った。


「びっくりしたあ。
1組んとこ、行かんでえーん?」


前では先生達が「列べよ〜」って叫んでる。
するとシロは、
3組の前を指さした。


「俺らだけは真ん中〜!」


よく見るとセンターを挟んだ、
3組と4組の前は、坊主だらけ。
なにかと、この高校では、
野球部メインで行事が進む。


「坊主のくせにせこい〜」


なんて言いながら、
できるだけ、
近くの位置になることを願った。


稟ちゃんがてきぱきと、
あたし達を列ばせる。
残念ながら、野球部軍団の位置からは
遠い場所だった。


でも、隙間をみつけて、
シロを探すんだ。
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