独り言2<その後のある日>
実際、話に聞くと京子の独身友人達はみなホントに立派なのだ。一部上場企業で働いていて都心に自分でマンションを買っているとか、一級建築士として事務所を経営している‥というのだから、真奈美とは人種が違う。

そんな立派な女性に紹介したような男性が、自分とは不釣合いだということに今更ながら気付いて少し愕然とした。

「あ、京子ちゃん‥私なんかにそんな立派な方紹介してもらうのは悪いわ‥やっぱり。」

「えっ?何、言ってるの?なんで?」

「だって‥私は‥。」

「どうしたの?何、卑屈になってるの?結婚なんて履歴書でするものじゃないわよ。人間性よ。いくら稼いでも、お勉強ができても、家庭的でなきゃ、安らげる家庭は作れないじゃないの。その点、真奈美なら大丈夫よ!私が太鼓判押すわ!大体、あいつらに紹介した私がバカだったわ。あっはっは。なんちゃって。聞こえたらリンチだね(笑)」

京子は、ほんとに賢い女性である。『自分がどう生きたいか』をはっきりわかっている。真奈美は、それがよくわからないまま気付いたら37歳になっていた。恥ずかしい。

「なんだかねぇ‥今更結婚したいなら、なんでもっと早くそういう道を選んでこなかったのかなぁって‥。親にはしょっちゅう言われてたんだけどねぇ。」

「そんなことぉ。誰だってそうよ。ヒトに言われてわかるくらいなら誰も苦労しないわよ。自分自身で気付いたときが、『その時』なのよ。別に、今気付いたら今行動すればいいわけで。それが50歳でも、極端な話OKなのよ。ただ、女の場合は、子供を産む、産めないっていう年齢制限があるから大変なだけで‥。でも、子供を持つってこともある意味『運命』だって思えば、諦めもつくしね。」

「・・・・・・・」

< 16 / 41 >

この作品をシェア

pagetop