独り言2<その後のある日>
そして‥これまた甲高い女子アナの「ただ今7時05分です♪」に「はっ!」として急かされるように出勤準備を始めることになる。

窓のないユニットバスの狭くて暗い洗面所で顔を洗うと、タオルで顔を拭きながら廊下にある冷蔵庫の上の段(冷凍庫)から、カチカチで少し霜がつきかけた冷凍食パンを取り出してそのすぐ上にあるオーブントースターに放り込む。そして冷蔵庫からお決まりの100%野菜ジュースを取り出しコップに注ぐ。

パンが焼けるとピーナツバターを塗り、脇にあるプリントアウトに失敗したコピー用紙をお皿代わりに、小さなテーブル(ちゃぶ台のような)でテレビを見ながらジュースで流し込む。

もう8月だ。子供の頃は、夏休みはまるで天国のように感じていた。これからやってくる一ヵ月半をどう過ごそうかとわくわくしたものだった。

それが、最近の月日の経つのの早いことったらありゃしない。

ついこの間‥お正月の「福袋セール」がどうのこうのって話していたかと思うと、あっという間に「ゴールデンウィークの旅行計画は?」‥そして「夏休みのお盆のシーズン」早すぎる‥。あまりに早すぎる。

ほんとに早い。あと4ヶ月で今年も終わるなんて‥。

今年のお盆休みには田舎に帰省しないで旅行する予定である。親にはすでに話してある。その代わり9月の三連休に一日休暇を足して帰省するつもりだ。

しかし、今年の夏は暑い。7月は予想以上に涼しかったので、余計に堪える。
夏好きの真奈美もいささかうんざりしながら、洋服を選んでいた。


「全く、汗かくから洗濯大変だし、綿のブラウスはアイロン大変だしぃ~。あぁ゛やだやだ‥。」

本日、何度目の「やだやだ」だろうか‥。


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