独り言2<その後のある日>
電車が新宿に到着すると、乗客は
一斉に出口を目指して動きだす。

真奈美は、それがいやで座席を
離れず、バックからゆっくりと
定期を取り出して眺めていた。

すると、隣の男性もそのまま
座ったままなのに気付いた。

『まぁ‥急ぐ必要ないのかもね‥。』

何気にそんな事を考えながら、ようやく
真奈美も立ち上がって出口に向かった。

通勤ラッシュに比べればはるかに
混雑はしていないが、それでも
人ごみはやはり好きにはなれない。

真奈美は、急いでその場を離れたくなり
さっさと改札を出ると、駅前のデパートの
食品売り場を目指した。


< 25 / 41 >

この作品をシェア

pagetop