独り言2<その後のある日>
エレベーターを降りて、玄関の鍵を
開けると同時に、京子の夫、航太郎が
急いで奥から迎えに出てきた。

「あぁ、いらっしゃい。」

そう言いながら、

「あいつ、ちょっと遅れるって‥」

と、京子に伝える彼は大柄で
いかにも爽やかなスポーツマンと
言った感じで‥真奈美の想像通りの
男性だった。

「さ、どうぞ、どうぞ。」

そう言うと、まだ靴も脱がずに
いる二人を見て、

「ほら、京子、早く‥。」

すると、京子は

「アナタみたいな大きな人が
いつまでもそこにいるからよぉ!」

「あ、悪い、悪い‥
じゃあ、ごゆっくり‥ね。」

そう言って、真奈美にぺロッと
舌を見せると、さっさと奥へ引っ込んだ。

「まったくねぇ‥。」

そう言う京子に、真奈美は

「やっぱり、素敵なダーリンじゃない♪」

「えぇ?そう?でっかいだけよぉ‥。」

「優しそうじゃないのぉ‥。」

「まぁ‥優しくなくはないけど‥。
さっ、いいから、あがって、あがって‥。」

先に靴を脱ぐと、真奈美にスリッパを
差し出した。


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