独り言２＜その後のある日＞

玄関を開けてすぐ廊下という
典型的なマンションの間取り
ではなくて、玄関ホールは
かなりゆったりとして、
正面が壁になっている。
そこには美しい絵が
飾られていて、左に進むと
リビングへ続く廊下に
なっていた。

「ほんと、素敵なお家ねぇ♪」

真奈美はその言葉を連発していた。

廊下もかなりゆったりしている。

突き当たりのドアを開けると
正面の窓には、大きな樹が
見えて、明るい日差しが
差し込んでいた。

「わぁ♪ステキィ‥」

すると、いい香りが辺り一面に
漂っていることに気付いた真奈美は
後ろを振り返った。

リビングに続くキッチンで
航太郎がエプロン姿で
何やら料理を作っているのが
見えた。

「あれ？ご主人がお料理を？」

京子は呆れた様子で

「そ‥。好きなのよぉ‥。
その代わり、後片付けが大変なの‥。
ぐっちゃぐちゃにしてくれるのよ‥。」

そう真奈美に囁いた。