独り言2<その後のある日>
二人がようやくリビングにやってきたことを
知った様子で、航太郎が慌てて出てきて

「あ、真奈美さん、どうぞ、どうぞ。座って。」

「は、はぁ‥。」

京子が、

「ちょ、ちょっとぉ‥トング持ったまま‥。
ギャッ!‥やだぁ‥何かたれてるじゃないのぉ!」

そう言うと慌ててキッチンから濡れ布巾を
持ってきて床を拭いた。

「あ、悪い、悪い‥。」

驚いた様子の真奈美に向かって
またも舌を出して、おどけた顔を
見せると航太郎はすぐ奥へ引っ込んだ。

「もう‥ねぇ。あ、ごめん。真奈美、
そこら辺に適当に座ってぇ‥。
まだ、料理が途中までだから‥。
あ、何か飲む?」

「いいわよ‥。お構いなく。それより
私も何かお手伝いしようか?」

「いいわよ。洋服が汚れちゃうもの‥。」

「大丈夫よ。エプロン貸してくれれば‥。」

「そう?悪いわねぇ‥。じゃあ、今
持ってくるね‥。」




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