赤いベンチ
第1章
ー出会いー

ゆかぁ~そんなに泣かないでよぉ」
「だって、だって竜がぁ…。」
「じゃあ謝ればいいじゃん!!」
「そんなこと言われたって竜怒ってるから声かけにくいんだもん!!」
「もぉ~大丈夫だって」
「じゃあ怒ってるか万里が聞いてよ!!はいっ、これメアド」
「私っ!?話した事ないのにぃ~」

高杉万里。
優柔不断な私は頼まれた事をうまく断れない。
だから友達に頼まれた事はいつもこんな風に引き受けてしまう。
これだけは昔から成長しない。
まぁゆかは小学校の頃からの親友だから仕方ないか。
その日私はゆかに言われた通りゆかの彼氏である斉藤竜にメールをする事になった。
彼とは同じクラスだが一度も話した事がない。
「勝手にメールしていいのかな…ゆかもちょっとケンカしただけで大げさだよ。」
そう言いながらベットに寝転がりながらメールを打った。
≪こんにちは!!同じクラスの高杉です☆勝手にメールしてゴメン。ちょっと話があって…≫
送信ボタンを押した。
「誰かわかんないかなぁ…」
そう思っていると意外にも返事が早く、メールが返ってきた。
≪高杉?どうしたの?いきなり≫
それからゆかのことを話した。
斉藤君は考えた結果、ゆかと別れるらしい。
私はちゃんとゆかと話し合ってと言ってその日の斉藤君とのメールを打ち切った。

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