赤いベンチ
ー動き出した時間ー

斉藤君に初めてメールをした次の日。
「万里ぃ、やっぱり私達別れる事にしたよ…竜の性格にはついて行けない。」
「そっかぁ…まぁ次があるよ!!」
「協力してもらったのにゴメンね」
ゆかは色白でさらさらの髪をしていて結構モテる。
こんなかわいい子を振るなんてあいつも何様なんだか。
斉藤君の評判はあまりいいものではない。
結構柄も悪くて、今まででもいろんな人と付き合ってる。
そんな斉藤君は私と同じクラスだけど近寄りもしない。
だから昨日のメールで私の事がわかったのはちょっとびっくりした。
なんか今日会うのちょっと気まずいなァー。
「万里おはよぉーー!!」
「ゆり、おはよっ!!」
高校で友達になったゆりはクラスで一番仲がいい。
ゆりは斉藤君と幼なじみらしく、普通にしゃべったりしている。
「竜おはっ!!」
「ぅっす」
「もぉ、相変わらず無愛想なんだから!!」
斉藤君と話せる女子はゆりぐらいだろう。
でも、その時それは変わった。
その時から運命は始まっていた。
私が席に座ろうとした時…
「おはよ。高杉」
「ー…っえ?」
一瞬だった。
今のって斉藤君?私におはよってー…
その日の私はこんな疑問の繰り返しで、気づいたら学校はもう終わっていた。
「おはよ…って……」
ベットに転がりながらつぶやいてるとケータイがなった。
~♪
ケータイを開いて差出人を見て私は驚いた。
≪斉藤竜≫
てっきり昨日きりのメールだと思っていた斉藤君からメールがきた。
≪っよ!!いきなりびっくりした?聞いたかもしれないけど、俺ゆかと別れたから≫
なんか言ってるよ。この人。ちょっと可笑しかった。
≪もったいない事するねぇ~他に好きな人でもできたの?≫
ちょっと時間がたってから返事がきた。
≪ちょっと気になってる人がいるんだ。≫

この日から私達は毎日メールをするようになった。

この日からすべてが始まった。
< 3 / 5 >

この作品をシェア

pagetop