涙模様
『おッ!香鈴も来たな!!』
拓也がそんなことを言うと
『ひどーい。来ちゃいけなかったの?』

香鈴が上目遣いで拓也を見ながら言うと

『べ、別に!来てよかったってこと。』

ぷっっ。
拓也、焦ってるし!!

『あの二人も仲いいよな。』

唯斗があたしの方に来て言う。

『うんッ。絶対、両思いだよね!』

そう。この二人、両思いのくせに告白しないんだよね…。
どっちかが告ればいいのに…。

『ってか。真璃奈は好きなヤツいねーの?』

いきなり唯斗にそんな事を聞かれた。

『えッ?何で??』

あたしが聞き返すと

『そろそろ、彼氏とかができないのかな?と思って。』
ガーン…。

唯斗にそれを聞いてほしくなかった…。

『今は…いな…い…かな?』

そう答えるとふーんと言い
『俺も、今は…いないかな?』

良かった!!
ここで唯斗に好きな子がいるって言われたら、あたし…死んじゃうし!!

『あッ!そういえば…幹から昨日、電話があって、今度遊びに行かない?って。』

幹!?あッあいつー!!

幹っていうのはあたしたちと違う学校に通う幼なじみなの。しかも同級生!!

この前っていうか5日ぐらい前、幹と会ったとき…。
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