涙模様
『真璃奈!さっき唯斗くんから聞いたんだけど…真璃奈の幼なじみも来るんでしょ?絶対可愛いよね?』

香鈴が心配そうに言う。

拓也が心配なんだな…。

『全然!顔は良いけど…性格はまるでだめだからね…。』

そう言うと

『マジで?へぇ~。そうなんだ。ってか、今週の土曜日になったんだって。』

『へぇ?何が?』

あたさが香鈴の話にとぼけると

『何言ってるの!
あんたの幼なじみと遊びのだよ。』

今週!?
土曜日!!!!?

ガビーン!!!!!!

あたしの落ち込みを見ていた香鈴は普通に

『あッ!そっか!映画観に行くって言ってたよね!』

そう。今、注目の映画[イルカのマーシェル]を観に行こうと思ってたのに…。

『う~ん…。真璃奈はそんなに観にいきたいなら行けば?』
香鈴の言葉にきょとんとする。

え?
香鈴はあたしを映画館に1人にするつもりですか?

『あのね、香鈴。
あたしは唯斗と幹をくっつけたくないのになんでわざわざ二人にしなきゃなんないのよ。』

あたしが大きな声でそう言うと香鈴はクスッと笑って
『真璃奈って唯斗くんの事が好きなんだね!』

突然の香鈴の言葉に顔が赤くなる。

『そッそんなことあるわけないじゃん。何言ってんの!?』

ドモリました…。
しかも顔赤くなってんのに…。
あたしって説得力なさすぎ…。

『真璃奈って誰にも嘘つけないよね?
顔に出るし、勢い余ってドモっちゃうし。』

笑いながら言う香鈴。

やっぱあたしって嘘つけないよね!?

『大丈夫!あたしが全力で応援&アドバイスしてあげるから。』

香鈴がそう宣言してるけど…どうなっちゃうの!?
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