愛の華
涙
光と別れて家に帰り、何気ないいつもの生活を送っていた。
辺りはだんだん、オレンジ色に染まる――…。
微妙な光が窓から差し込み、影が出来る。
私は何もせず、自分の影をぼーっと眺めていた。
その影を目で追っていった先には…
私と宏太で一緒に撮った写真が、写真たてに装飾されて際立っていた。
宏太とお揃いで買った写真たて…枠が桃色のはずなのに、影のせいで黒く見える。
写真を見ると、宏太が私の肩を抱き寄せて笑っている。
私ももちろん、もう出来なさそうな満面の笑顔をしている。
あんなに幸せだったのに…何故…?
どうして宏太は、いきなりいなくなっちゃったの…?
またこういうふうに、隣で笑ってよ…
肩を抱き寄せて…抱きしめて…キスして…。
私に愛を感じさせてよ―――…。