愛の華
「…―――――朱里?」
ふと、後ろから声がした。
振り返ってみると、宏太…ではなく、三木さんの姿があった。
「三木っ…さ…んっ……?」
「なかなか公園に来てくれなかったから…部屋捜して来ちゃった…。」
涙で、三木さんの顔が歪んで見える。
宏太の面影があって、私は涙を止めることが出来なかった。
生まれたての赤ちゃんみたいに、私は泣くことしか出来なかった。
「…大丈夫。君には俺がいるから」
「み…っ…き……さんっ…」
「今だけ…忘れさせてあげる…」
近づく三木さんの顔。
そして、背中にまわされる三木さんの腕。
逃げる暇もあたえられず、私は三木さんに抱きしめられた。
…そして、宏太以外の人との初めての…キス。
何をしようと、三木さんからは逃れられなかった。
力強い腕力に、強引なキスの仕方
宏太とは全然違うような気がした―…。
けど、されるがままにされる私は、どうすることも出来なかった。