嘘つき②【-臆病-】
-冷たい瞳-
* * *
「…どうされました」
彼は気怠そうに前髪をかきあげた。
日に当たると淡い茶色になる細い髪。整った顔立ちは冷たいくらい突き放した表情がよく似合う。眼鏡の奥に覗く瞳は、見透かされそうに、深い。
「だって、愁ちゃん…素敵ですもの」
あたしは素直にそう言った。
「その呼び方はやめて下さいと言っているでしょう」
彼は綺麗な眉を潜めてあたしを窘める。
『愁ちゃん』あたしより6歳年上。なのに彼の話し方が敬語なのは、多分、この関係のせいね。
「早く服を着てください。お嬢様。」
愁哉さんはネクタイをもう一度直すと既にきちんとした格好で、まだベッドに横たわるあたしを見下ろした。
「…どうされました」
彼は気怠そうに前髪をかきあげた。
日に当たると淡い茶色になる細い髪。整った顔立ちは冷たいくらい突き放した表情がよく似合う。眼鏡の奥に覗く瞳は、見透かされそうに、深い。
「だって、愁ちゃん…素敵ですもの」
あたしは素直にそう言った。
「その呼び方はやめて下さいと言っているでしょう」
彼は綺麗な眉を潜めてあたしを窘める。
『愁ちゃん』あたしより6歳年上。なのに彼の話し方が敬語なのは、多分、この関係のせいね。
「早く服を着てください。お嬢様。」
愁哉さんはネクタイをもう一度直すと既にきちんとした格好で、まだベッドに横たわるあたしを見下ろした。
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