嘘つき②【-臆病-】
「そうですか、彼女は優秀な部下です。失礼がなければ問題はありません」
淡々とした口調。
「また、ご一緒したいわ」
あたしは微笑みで返した。
「珍しいですね、あなたがよく知らない方に興味をもつのは」
秀麗な顔立ちは僅かに変化も見せない。ただ、柔らかく笑っただけ。そうね、珍しい。
だけど、全てあなたのせい。
食事が終わって当たり前の様に彼に抱かれる。
甘いキス。
熱い指先。
触れる温度。
そして、
改めて感じさせられる
冷めた感情。