嘘つき②【-臆病-】
今でも覚えていますわ。
愁哉さんを紹介された日の事。
父様があたしに紹介するという事は将来有望で気にかけている証。
あたしはその人の綺麗な顔立ちとそれに似合う冷たい雰囲気、レンズを挟んだ理知的な瞳。威圧的な声に圧倒されてしまっておどおどしていた。
だけど
一緒にいた義姉さん、―瑠香さんは、
彼、愁哉さんを真っ向から見つめた。
恋が始まるのをあたしはそばでみていたのね。
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