放課後Kiss
「…え」
真剣な表情で、菜津実はあたしを見つめた。
「…リナってば、いつもそう。
“ボーっとしてる”って言ったら、必ず“大丈夫だよ”って一言。」
…しかも大体は作った笑顔で。
そう、付け加えられた言葉。
「…っ」
さすが、親友なだけある。
…しかも、“保育園からの”が付く辺りが驚きだ。
「……最近のリナってば変。…特に、アレだ。あの…」
「…っあ!!ほら、なつみ!来てるよ、彼!!」
あたしは横へと指差して、そう言った。
そんな指の先には、菜津実の最近できたと言う彼。
「…あ、じゃあ…。
あたし、邪魔になるとアレだし。…行くね?」
「えっ…ちょ!リナぁ!!」
そんな親友の声さえ、今はシャットダウンして。
あたしはただ目的もなく足を進めた。