放課後Kiss
放課後に、愛のKiss
屋上から猛ダッシュで来た屋上の前。
ふぅ…っと息を整えて。
走ったせいで少しだけ早まった鼓動を、制服の上からそっと押さえた。
…てか、話したい事。って…なんだろう?
そう思うと、気が気じゃなくて。
そして、余計手に汗が滲んでくる。
心なしか、一度落ち着いた鼓動さえ少し速くなる気がした。
「…よし、」
心に軽く渇を入れて、あたしは教室の扉に手を伸ばした。
――ガラッ…
「…な…つ、……み…?」
開けたドアから見えた景色は。
「……ぇ…」
思わず体が固まって。
…目の前の教室。
夕日に、シルエット。
一つじゃ…ない。二つの、影。
そして…
その、二つの影は…、
繋がっていた。
…まるで、あの時の自分みたいに。
甘く、
深く…お互いが相手を求めて。