放課後Kiss
戸惑いと、迷い





「…ん…っ」



「……リナ、甘い」




フッと甘い微笑み。


それは、


いつもは話しさえ交わさない二人の、遠い距離が一気に縮まる時。





放課後の教室。


夕日に照らされて。


伸びた影は…、繋がっている。





ぎゅっと瞑った目。


深く、…甘く。重なった唇。


…放課後の、あたしだけの特権。





普段は目なんて合わせない。


話しさえ、しない。


そんな二人は、お互いに求めて唇を重ねている。





「…っ……ふ…」


もっと深く。


甘く。…少しづつ激しく絡むキスに、意識がボーっとする。


「……。…じゃ、今日はここまで」


唇を離して、


ふ、と口角を上げるとポンポンとあたしの頭に手を軽くバウンドさせる。





そんなあたし、深田梨奈(ふかだりな)。



目の前の男は、平野蓮(ひらのれん)。








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